第9回須磨青空元気フェスティバルについての記事が、神戸新聞に掲載されました。
「気合入れていこう」―。神戸大学二回生の小林淳平さん(19)=姫路市船津町=は、ほおを三回たたき、緊張をほぐす。潮風を受けて、金色に輝く龍は舞いだした。
二十一日、須磨海浜公園(神戸市須磨区)で開かれた「第九回須磨青空元気フェスティバル」(神戸新聞社など後援)は、実行委員の学生九人による「翔龍演舞隊」の演技で幕を開けた。
「南京町の龍舞を見て感動した」。四年前、同フェスのパレードのために作った八メートルの龍が、舞うことなく眠っているのを知っていた学生ら。九月の上旬から毎日、練習を重ねた。
同フェスは、震災で傷ついたまちを元気づけようと始まった。今年は、ステージでのショーやガレージセールのほか、宮城県北部地震のチャリティー活動をメーンに据えた。あいにく小雨のぱらつく天気となったが「思いが龍に乗って、被災地まで届くように」と息を合わせて、観客の中を力強く舞った。
「うわあ」。ステージで子どもたちの大きな歓声を受けていたのは、大道芸人“スーパーアイドル星丸”こと小林正典さん(24)=尼崎市。大阪芸術大生時代、所属していた大道芸サークルから本職に。今は週末、海遊館でジャグリングなどの芸を見せている。
大音響の音楽に合わせてくるくると回る火の棒に、お年寄りらも目を丸くした。
「最近、幅広い年代に楽しんでもらえるようになったのがうれしい」という小林さん。
「あなたの感動を形に変えて、被災地に届けてください」。大きな拍手が起こる中で募金箱を差し出すと、たちまち人だかりができていた。
平成13年9月22日 神戸新聞